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『プリズナー』の世界を理解するには欠かせない用語をチェック!

プリズン

「監獄」の意。地上の全てがさざ波に呑まれた中、唯一残った人間が生活できる都市。
現在ではほぼ全ての人間が共通の言語を話すようになっている。
底が見えない程に深い大穴の壁に、うねってへばり付くように都市が建設されている。
現時点では地上から第一層、第二層、、、と数えて第十層まで建設されており、第十層にはエニグマの本社が位置している。
瓦礫が組み合わさった見た目の巨大な塔が第十層から第一層までの中心を貫くように聳え立っており、人間が生きるのに必要不可欠な光調と空調、そして警告システムを担っている。
大穴の内部にもさざ波の細胞を含む風が吹き込むことがあり、それが感知されて警報が鳴り響いた瞬間、手に持った全てを放り出して室内に逃げ込まなくてはならない。
第十層よりも下がどうなっているのかは一般に明かされていない。エニグマが調査をしており最下層が存在するという噂があるが、現時点では詳細は不明である。
さざ波による汚染は現在進行形であり大穴の内部に達している為、既に第一層と第二層はエニグマにより放棄されて廃墟と化している。
しかし、第三層にすら住めないホームレスは現在でもここを住みかとしている。その大半が数日も持たないが。
上層ほどさざ波による侵食の影響を受けやすく危険である為、上流階級の人間である程下層に居住している。

プリズンタワー

通称、瓦礫の塔。瓦礫が組みあがったような独特な外観で、地上から十個のユニットで構成される。プリズン内の光量調節、空気の清浄、循環を担う。
空気を上に向かって押し上げるようなしくみになっており、出来る限り胞子が広がることを防いでいる。
第一ユニットの屋上にレーダーが設置されており、これで天気を予測する。
レーダー部分を除く第一ユニット、中心のケーブルを除く第二ユニットは既に放棄されている。

第一層、第二層

“デッドエンド”と呼ばれる。既に朽ちた波に侵されている階層で、エニグマにより放棄され管理されていないため貧困層、浮浪者、ホームレス、廃人、犯罪者集団等が住み着くスラム街と化している。
政府は建前上管理していることにはなっているが、力が無さ過ぎて給付金交付以外のことは何もしていない。
エニグマによって放棄された際に第三層以下に引っ越せた人間とそうでない人間がおり、後者が大多数である。
プリズンの中で、最も人口密度が高い階層。
エニグマでは「既に誰も居住していない筈だから」という体で働きかけても全く管理しようとしない(政府は給付金を交付している=まだ人が棲んでいるのに、である)為、しびれを切らした第三層の住人が独自に組織を結成し、接続ユニットの封鎖と警備を行っている。
瓦礫の塔の第一、第二ユニットは動作し続けているが、第三層以下にも影響する空調設備と気象レーダー以外は維持管理が行われておらず、光量調節がうまく働いていない。
そのため、昼でも暗い所は暗く、様々な犯罪の巣窟になっている。

第三層~第九層

現在もエニグマによって維持管理が行われている階層。
第三、四層
元々は普通の団地が密集していたが、第一、二層が放棄されたことで多くの工場が移転してきた。
その為現在は工業団地であり、環境は少しずつ悪化している。
一般層と貧困層(貧困層寄り)の間の人間が多く生活する。

第五、六、七、層

主に一般層が生活する階層。
五層より六層、六層より七層の方が地価が高く、治安が良い。

第八層

貴族階級までは届かずとも、それを目指しているようなアッパー層が生活する階層。

第九層

貴族階級、つまるところエニグマの社員のみが生活する階層。
人口密度が最も低い階層である。

第十層

エニグマ本社ビルが存在する階層。主要な政府機関もこの中に組み込まれているが、今の政府は完全にエニグマの傀儡である。

さざ波(薄波)

ある時突然に発生し、地上を満たし始めた謎の物体。
これまでの研究によって生殖機能を持つことが判っており、何らかの生き物ではないか、と言われている。
様々なものが融合した、何にも形容し難い形状をしている。
しかしながら幻想的で独特な美しさを持ち、それに惹かれる人間も一定数存在する。
常に微小な細胞が放出され続けており、対策なく継続的に多量を吸っていると「廃死病」に感染する。
現在のところ浸食を止める具体的な方法が判っておらず、プリズンタワー(瓦礫の塔)の空調で細胞を出来る限り追い出し、細胞が放出される周期を分析して予報を発令する以外の対策が出来ないでいる。
何かで塞ごうとも、ありとあらゆる物質をゆっくりと突き破って伸びて来てしまうのだ。

廃死病

朽ちた波が放出する細胞を継続的に多量に吸い込むことで感染する難病。
人間のみが発症する。
潜伏期間は僅か二、三日であり、比較的すぐに症状が現れる。
軽い呼吸器疾患と貧血に始まり、それがだんだんと重くなる。
食も細くなり、身体は痩せこけ、皮膚が傷付きやすく、そして治りづらくなる。
少しずつ自然と皮膚が裂けて血がにじむようになり、感覚器官が麻痺してゆき、酷くなると身体中に裂傷が現れ、朽ちた波と似た形状に血肉が変形し、発症して僅か一週間程度で死に至る。
未だに治療法が確立されておらず、感染すれば死ぬ他無い。人間が出来る対策は胞子を出来る限り吸い込まないこと、朽ちた波から出来る限り遠ざかる事のみである。

プリズンの第十層より下、最下部には広大な空間があり、水が溜まっている。
ここが、世界でただ一つの聖地である。
聖地とは、裏の世界が見えやすい場所のことである。
即ち、精神が健常で夢の世界を行き来できない人間や怪奇でも、ここに来れば、裏の世界を覗くことが出来、運が良ければ入っていけるのだ。

夢と現の境界とはよく言うが、碧き星も、緋き星も、どちらも現の側である。
夢の世界が真ん中にあり、その両端に夢現の境界があり、それを二つの現の世界が挟んでいるのだ。
夢現の境界を越えるには、精神を今いる世界に根付かせず、遊離させておく必要がある。
つまり、発狂してキチガイになることだ。
聖地とは「二つの夢現の境界と夢の世界を経由せずに現の世界同士を行き来出来る場所」である。
つまり、精神が健常な人間は、聖地を通じて現の世界同士を行き来することは出来ても、その狭間に位置する夢の世界にアクセスすることは不可能である。

夢の世界に閉じ込められた人、もの、怪奇はこれまでに数え切れない。
健常なものはアクセス出来ない為自力で脱出する必要があるのだが、夢の世界に一度入ったものの大半はそこに精神が根付き、永遠にそのままになってしまう。
なぜなら、夢の世界にアクセス出来るのは精神異常者だけ、つまり、現の世界に居場所がないものだけだからだ。

廃屋
プリズンの最下層の中心に位置する、正体不明の廃屋。
一般にその存在は明かされていない。
廃屋の中には正体不明の怪物が住み着いてい¥るとされ、一度中に入ったものは二度と脱出する事が出来ないといわれる。
内部には並行世界への入り口がある、、、と、されている。
カイが母親と共に過ごした家が、そのまま残されている。

怪奇
人外と呼ばれ、人間から除け者にされた者達の総称。
総称である為に怪奇の中にも幾つかの種族があり、その中でも一個体ごとに特徴に違いがある。
その為全ての怪奇に共通する事項というものはないが、大半の怪奇に共通する特徴として
・人間と比べて圧倒的な身体能力を持ち、どれだけ酷い怪我でも滅多に死なず、寿命が非常に長い(正確には、心臓或いは脊髄が完全に破壊(心臓に穴が開く、脊髄が一部折れる等の不完全な破壊だと蘇る)され、血肉から分離されない限りは死なない)
・その代わり、精神的な部分に弱点があり、それによって死ぬ者が多い。
・人間とは異なる外見上の特徴を持っている(その大半が人間からは忌み嫌われるものだが、現在の怪奇は近年まで人間の傍で生きながらえていたので、まだ人間に受け入れられやすい外見の者が多い。余りにも人間に受け入れられ難い外見のものは、既に大半が駆逐されてしまった。)
・本能的に、人間を食したいという欲を持つ。
怪奇には、その内面が外形に現れる特性がある。
先述の通り、現在の怪奇は人間の姿に近いものが大半であるが、何らかの要因によって「堕ちる」(=かつての怪奇のように、人間の姿とは遠くなる)ことがある。
人間の心を持ち合わせていく段階で人間の外形に近くなり、その後の様々な争い、最後の人怪戦争によって人間と遠い外形をした怪奇はほぼ駆逐され、現在の怪奇は人間の外形にある程度近いものとなっている。

人間と怪奇の混血
人間と怪奇の両方の性質を持ち合わせる。現時点で魁星ひとりしか存在しない。
基本的に
・完全な人間の姿をしている(但し、何らかの要因で「堕ちた」場合はその限りでは無い。)
・人間を遥かに凌駕する身体能力を持つが、怪奇には及ばない。
・精神的な強さは怪奇を凌駕する。人間と同程度、あるいは一段下。
・寿命は怪奇に及ばない。
最も重要なのは、「人間を喰らわずとも、人間の外見と心を保ったままである」ことである。
従って、カイは、人間を喰らう必要がない。
ただし、カイだけでなくセイガも、シンキが提唱したレリシスと同じ法則で堕ちることは可能である。
「僕たちは、人間にも成り得るし、怪奇にも成り得る(セイガ)」
セイガは純粋な人間でありながらも怪奇として生きる道(父親と同じ道)を、カイは混血でありながらも人間として生きる道を選んだ。

赤き星

青い星の裏側に位置する、もう一つの世界。
ただし「裏側」とは精神的な境界によって隔てられた表裏という意味であり、単に物理的な裏側ということではない。

赤き星と蒼き星の連絡通路は精神世界であり、脳が作り出した虚像である。言うなれば夢の中である。
夢に侵されるカイは度々、この通路にアクセスしていたことになる。
つまり、この通路には、夢さえ見れば何人たりとも入ることができるが、そこから赤き星まで接続するには、更に手順が必要となる。
それは、その虚構を現実として認識することだ。
思い込むのでは無い。単純に、そう認識するだけだ。
つまり、狂うということだ。

青い星が死んだ時は赤い星が露わになり、赤い星が死んだときは青い星が露わになる。

青い星の人間は存在を認知しておらず、赤い星の影響で起こる小さな現象は全て超常現象の一言で片づけられる。

「表裏」である為、青い星がある傾向を持つと、赤い星はその逆の傾向を持つ。
現代に於いては、青い星の人間がひどく委縮して狭い価値観にとらわれている為、
赤い星の怪奇達は広々とした心と広い価値観を持っている。
また、青い星で消えたものや行方不明になった人間が赤い星に現れることがある。
必ず逆を行くわけではなく、あくまでも逆の傾向が「強まる」だけであるが、青い星のほうが強い立ち位置であり、影響力も大きい。
赤い星の動きによって青い星が影響を受けることもあるが、ごくわずかである。
その為、赤い星の怪奇達は、自身の住む世界の動きも、青い星の動きも基本的に制御出来ない。
赤い星の状況から、青い星の人間の動きを考察するにとどまっている。
怪奇が人間からここまで距離をおいてもなお、怪奇の運命は人間に委ねられたままだ。
怪奇は、ずっと人間によって力的に支配されてきた。
人怪戦争での敗戦から赤い星に逃亡し、ようやく人間の力的な支配下から脱したかに思われた。
しかし、それでも、彼らの願いは叶わなかったのである。

本来であれば、青い星と赤い星のバランスが保たれ、五分五分で影響を及ぼし合うのが最も理想的な状態である。
しかし、そうするには、やはり怪奇達は余りにも精神的に弱すぎるのだ。
青い星と赤い星の境界が精神的なものである以上、怪奇の持つ圧倒的な身体能力は、何の役にも立たない。
結果、人間の精神力によって、青い星が圧倒的優位に立ち、赤い星はただただ流されている。
常に大量の制御できない事象にぶち当たり、必死に抑えて時が過ぎるのを待つばかり。
怪奇達が追いつめられるのも当然である。
このまま追いつめられ続け、精神的に折れ、怪奇が滅亡してしまっては、これまでの努力が全て水泡に帰してしまう。
しかし、怪奇達は、精神的に強くなる術を持っていない。
それに、中途半端に強くなったとしても、幸運にも精神力が五分五分になったとしても、行方不明の怪奇が青い星に現れ、怪奇が再び人間に認知されてしまうリスクが高い。
そうなれば、再び人間によって糾弾され、結局怪奇は滅亡してしまう。
それは、何としてでも避けなければならない。
つまるところ、怪奇が現在の状況から脱し、これからも生きていく為には、人間を滅ぼす他になかったのである。
レリシスは、怪奇達を守る為、朽ちた波となり、青い星へと帰還して浸食することを決めた(純粋な人間であり本来は堕ちることが出来ないが、シンキの研究による法則により堕ちた)。そして、このシンキによる施術を受けたあとの性交でつくられた子供だからこそ、セイガは混血まではいかずとも、堕ちることが可能だったのである。
一方で、これはやむを得ない手段であり、誰も望んでいないことであるとも理解していた。

アリアは人間を恨みつつもこの計画には内心で反対しており、何らかの指針(人間による活動=青い星からの影響)無しに己の中の人間の心を保っていられるほど怪奇は精神的に強くないと考え、表では計画を支持しつつも、いざ人間が消滅したとき、怪奇の世界もそう長くないのではないかという危機感を持っている。
但し、

加えて、現在の青い星は、人間たちによって死の危険に晒されている。
「星が死ぬ」とは、物理的な消滅ではなく、概念そのものの消滅のことである。

偽りの多様性を追求した結果として選民的、排他的、侮蔑的、閉鎖的、拒絶的になっている青い星の影響もあり、赤い星ではあらゆる者、物、思想を受け入れる動きが強まり続けている。

アリアもこの点に関しては好意的な反応をしており、「高い壁」や「排除」によって碧い星と断絶しようとするものの末路について語っている。
たくさんの怪奇が傷つけられたことを知っている今もなお、「隣人」である人間と怪奇が共存する道を探ろうとしている。